
~西村農園のシンボル樹齢100年の木の歴史~
夢塩プロジェクトメンバー(以下、夢塩):本日はよろしくお願いします。
西村農園 西村社長(以下、西村):お願いします。
夢塩:まず最初に秋芳梨の歴史についてお伺いしたいと思います。いつ頃からこの地で梨の栽培が始まったのか?どのような経緯があって現在の秋芳梨となったのかなど、お聞かせ願えますか?
西村:えっとですね。1905年ですから、明治38年だったと思います。それでさっきお見せした園の前の持ち主さん。今、私はその家の人から受けて作っております。その人は、ええと岡山から苗木を持って帰られて作られたちゅうのが始まりです。
それから、その時には初め“かまの梨”ちゅうことでずっと売っておったんですけど…。ええと、昭和50年か60年、自分たちが始めた頃に若い時にあの秋芳梨という名前を付けました。
まあ、ここはもともと秋芳町ちゅう地域です。それで町長さん、行政の方が、今のこの行政区の名前を使ってもいいということで秋芳梨になります。
夢塩:そうなんですね~。
西村:それと神戸行って、まあ、梨をどうしたら皆さんに売れるかな?っていうのが一番勉強になりました。
あの、山口じゃ秋芳梨はものすごい有名です。だけど県外に出たら「山口秋芳なんて、どこの人?」っていうような…神戸行ったら、「秋芳梨ってどこから来られたん?」って言われて山口県ですって言いました。
まあ、神戸の市場の方はわかるんだけど、一般市民の方には一切浸透してなかったんですよね。
それを今やっとあちこち、出せるようになって。今は東京の高野さんで出してます。
夢塩:へぇ~びっくりです!高野さんってあのフルーツパーラーさんですよね?
西村:はい、そうですね。まあ三つの指に入るフルーツ屋さんですね。
夢塩:その有名になるために工夫したこととかはありますか?
西村:あのですね。有名になるためにしたのはとにかく、品質を揃えることですね。良いものとか悪いものとかありましたら、誰のところに悪いのが行くやらわからんのでね。とにかくきっちりとどこ誰が見ても良い状態のものを提供できるように。
それと、あとは土作りですね。今はあの辺(梨の畑)にも、モグラやらミミズやら、あの木の根っこの周りにようけ(沢山)おります。やっぱそういう生物とかいうのがおらんとね。
まあ、うちは有機物やってますって言っても、分解は人間はようせんので。そういうミミズなりがようけ(沢山)育つような畑を作るということですよね。
肥料にしても、有機質肥料というかな、金肥じゃないものを使っていて、尿素とかを入れないようにやってます。それで、糖度もあると思います。

~この地だからこそ生み出された秋芳梨 環境へのこだわり・味の特徴~
夢塩:ありがとうございます。秋芳梨の栽培や秋芳梨を育てる環境へのこだわり、また味の特徴をお聞かせいただけますか?
西村:秋芳梨の環境っていうのがね、ここは独特の環境なんですよね。今日うちの畑を見られたと思うんですがね、真っ赤な赤土でしたよね。あれほどの赤土っていうのはね、あんまりないんです。雨が降ったらつるつるぐちゃぐちゃになるっていうか、どろどろになるというような状態で、真反対に夏場の乾燥時期や天気がいい時には干割れが入って、2〜3cmの手が入るくらいの割れ目ができます。
そういう状態の土壌ですんで、土壌改良というか、藁入れたり、他に麦わら入れたり、萱入れたりして作ってやっと今頃それが効果出てきているんですよ。
もう一つは、ここが盆地なんですよね。来られる時に川の縁の狭いところを通って来られたと思います。あそこの上の方は雪が見えるぐらい寒いんです。それで夏場はその気流がここへおりてきて、空気が淀んでしまうんですよね、この地区だけ。
ほんで、梨には一番その空気が淀むようなところ、湿気があるようなところが一番いいんですよね。だからやっぱそういうところが梨を作る条件に一番適したところなんですね。
夢塩:その赤土や、地形、気候のおかげで梨が甘く育つんですね。
西村:それと、梨の肌も割とつるつるしたような感じになってくるんです。それともう一つが梨の中の石細胞(せきさいぼう)っていうのが全然変わってくるんですよ。
夢塩:石細胞(せきさいぼう)?
西村:うん、石細胞(せきさいぼう)。梨の中を顕微鏡で見ちゃったら、あの核っていうかな、細胞があるんです。その石細胞(せきさいぼう)が水分をものすごいよく吸うて大きくなっとる。水分が多いと糖度は下がってくるんです。
夢塩:へぇ~~!なるほど。じゃあ梨には水分が多いっていうイメージがあるけれども、秋芳梨は水分が少ない分、甘いんだってことですか?
西村:そうそう。
夢塩:ああ~なるほど。それは梨の木を植え替えて、どういう梨を作るかっていうことで、そのように育て上げてきたんですか?
西村:いやそれは、土壌がそういうふうな土壌だかですね。だから今言うたように、夏場は干割れがいったらね、梨の木の根っこを途中でぶち切ってしまう。根っこは先端から肥料を吸うんですよね。だから反対に余分な水分をよう吸わんのですね。
夢塩:あぁ~!じゃあそれが功を奏して、秋芳梨は甘いってことですね。
西村:だから周防大島のみかんでも、それこそ高いところの痩せ地っちゅうか、そこで育ったみかんと、下のものすごい肥沃な土地っていうところで作ると、上の痩せ地の方がやっぱ甘いはずなんです。
夢塩:なるほど。もう一つ質問していいですか?あの梨の表面にある、つぶつぶしたものはなんですか?
西村:あれは「クチクラ」って言うてね。あれが全部、細胞なんですよ。それが息をしたりすると、何万ってあるんじゃろうと思うんだけど、それが口を開けるにぱっと開けて、呼吸する。それで夜は閉める。昼間は開けて呼吸するというような格好になって、どんどんどんどん大きくなってきよる。
だから、その「クチクラ」が反対に夜も昼も開けっ放しになると、空いたところにカビやら錆が入って、梨の表面が悪くなるんですね。要するに、梨の見た目が悪くなるってことです。

~そんな食べ方もあったの!?意外と知らない梨のアレンジレシピ~
夢塩:では次に味と健康の魅力についてお聞きしたいと思います。秋芳梨の美味しさの特徴や美味しい食べ方などがありましたらぜひ教えてください。
西村:鳥取に梨の勉強に行った時に習ったのがありまして。梨でカレーを作るっていう…。
夢塩:カレー!?りんごとかは聞いたことありますけど…。それはすりおろして入れるのですか?
西村:いやいや、細かく切ってね。
夢塩:美味しそうですね~!!
西村:あのジャガイモみたいな感じです。ジャガイモをカレーの中に細かく切って入れちゃうじゃないですか。細かくある程度棒状に切って、そんならちょうど歯ごたえというか、歯ざわりというか、甘みがちょうど出てくる。孫はね、ポテトサラダに梨を切って入れてるそうです。
夢塩:ああ~!りんごの代わりにっていうことですか?
西村:余っている梨の悪いところとかを除けて、それで時々入れてやるんですけどね。すごい喜んでくれるんですよ。
夢塩:へぇ~!美味しそうですね!!そんなこと、全然考えたことがなかったです!
ありがとうございます!
~梨ジャムの特徴~
夢塩:次に塩飴についてですが、今回龍神乃塩飴に使用させていただく秋芳梨ジャムの特徴をお聞かせいただければと思います。また、実際に秋芳梨龍神乃塩飴を食べていただいた時の飴の仕上がりや感想があれば、率直な意見をお聞かせください。
西村:龍神乃鹽飴の感想はですね…孫と二人で食べさせていただきました。
夢塩:ありがとうございます。いかがでしたか?
西村:孫が4人おるんですけど、一番上の男の子。六年生ですけど、梨ジャムの入った龍神乃鹽飴をすごい気に入ってね、美味しいって言って食べてました。やっぱりあの塩味っていうのがね、あの塩の感じがすごい良いですね。
夢塩:あぁ~、ありがとうございます!!
西村:食べやすいです。古くないっていうかね…。
夢塩:ありがとうございます!
西村:初めて食べた時には、普通の塩飴だと思いよったんですけど、だんだんだんだん途中からあの糖分が出てきて、最後には、これ梨の果肉やなっていうような状態までわかったんで。わあ~、これ面白いなと思ってね。
夢塩:ありがとうございます。もうすぐ商品も完成します。完成が楽しみですね。

~ここは知っておいてほしい!西村さんからお客様に伝えたいこと~
夢塩:次に秋芳梨に込める思いと秋芳梨を通してお客様にお伝えしたいことをお話しいただけますか?
西村:秋芳梨に込める思い…。とにかく人に負けんような梨を作りたいというのと、秋芳梨というブランドが「美味しい」と言ってもらえる梨になることですね。
その年の気候や木の病気などいろいろなことはあるんじゃけどね、とにかく味の差を無くすっちゅうかね。もっともっと美味しい秋芳梨にしたいっちゅかね…。「秋芳梨はどれを食べても最高に美味しいね」とお客様が食べられた時に思うてもらえるような秋芳梨にすること。そのためにみんなが努力しよります。
今後も秋芳梨を楽しみにして欲しいとお客様にお伝えしたいですね。
夢塩:要するに、その自分が作る梨も人に負けないぐらい最高の仕事をしたいと思い精進を重ねるけれども、秋芳梨全体のことを考えた時に、味にばらつきがないような梨作りをしていきたいってことですね。
西村:はい、そうですね。
夢塩:ありがとうございます。
~美味しい梨には美味しい水のおかげ 地元民が大切にする天然水とは!?~
夢塩:最後にお伺いいたします。山口県、そして美祢市の魅力について、ぜひ読者の皆様にお伝えしたいことがあれば教えていただけますか?
西村:山口県の美祢市はね、水がきれいなんですよね。ここは名水百選の弁天池というのがすぐそこにありますんでね。
夢塩:はい。
西村:近くに大峰酒造っていうのがありまして。白い建物、あれね酒屋さん(醸造所)なんですよ。その美味しい水を利用されていましてね。美味しいお酒を造られてるんです。
梨にも美味しいお水を使用してます。
美味しい安全な梨作りというのを皆さんやっておられるんで、それをお伝えして頂けると嬉しいです。
夢塩:今お話しして頂いた、美味しい水を利用して、安全な梨作りをされているということを読者の皆様にお伝えしたいと思います。本日はありがとうございました!
